サンタさんはパパとママなの?と聞かれたら

教育

いつかはくると思っていました「サンタさんはパパとママじゃないよね?」これです。

ついに我が子にもやってきました。その時は急だったので私の心の準備ができておらず、とっさに「サンタさんを信じてたらサンタさんだよ~」みたいことを答えたらその後はあまり追求されなかったのですが、その時ふと昔読んだ絵本のことを思い出しました。

それは「ひゃくおくまんのサンタクロース」という絵本です。

子供が小さなころ、図書館で何気なく借りた絵本で、その時息子はとても小さかったので話の内容をあまり理解できなかったのですが、私のほうがとても印象に残ったので覚えていたのでした。

お話は簡単に言うとこんな感じだったと覚えています。

むかしむかし、サンタクロースがいました。サンタクロースはクリスマスになると、町の子供達へクリスマスプレゼントを配っていました。
何年かがすぎて町が大きくなり子供達が増えると、サンタクロース一人では子供達みんなにプレゼントを配るのが大変になってきました。
そこでサンタクロースは神様に助けてくださいとお願いをしました。神様はサンタクロースの願いを聞き入れて、サンタクロースを二人にしました。
サンタクロースは二人に増えましたが、大きさが半分になってしまいました。1/2になったサンタクロースは二人でクリスマスプレゼントを配りました。
そしてまた何年かが過ぎた後、さらに子供達の数が増えたので、サンタクロースはまた神様にお願いをしました。
神様はまた願いを聞き入れ、サンタクロースを4人にしました。ですが、サンタクロースは初めのサンタクロースの1/4になってしまいました。
こうして子供達の数が増えるたび、サンタクロースは神様にお願いをして、1/8,1/16と段々と小さくなってしまいました。
そして今では子供達も何億人と増えたため、サンタクロースも数え切れないほどの数となり、体は目に見えないくらい小さくなってしまいました。
体の小さくなったサンタクロースはもう、クリスマスプレゼントを自分で子どもたちに配ることができなくなりました。

そこで、サンタクロースはクリスマス前になると、子供達の両親の耳の中に入って、子供達にクリスマスプレゼントを用意するように伝えるようにになりました。
それでクリスマス前になると子どもたちの親は子供達にクリスマスプレゼントを用意しなくては!と思うようになったのです。

というお話でした。

この話を読んだ時、子供が本当にサンタさんっているの?と聞きいてきたら、こんなふうに子供に説明してもいいかな!と思ったものでした。

Yes, Virginia, there is a Santa Claus.(そうです、バージニア、サンタクロースはいるのです。)

また、こんな素敵なお話をききまたした。それは1897年、ニューヨーク・サン新聞の「社説」に載せられたフランシス・チャーチさんの記事です。

私はこれを読んで深く感動しました。私が子供に伝えたいと思っていたことが素敵な言葉になっていたからです。それに大切なことは目に見えない、というのは私の好きな『星の王子さま』を思い出させてくれました。

もし、次にまた子供が真面目に「サンタクロースってホントはいないんだよね?」と聞いてきたらこんな風に答えられたらいいなぁと思いました。

記事を原文付でシェアしますのでよかったらぜひ読んでみてくださいね。

Yes, Virginia, there is a Santa Claus.

「こんにちは、しんぶんのおじさん。
 わたしは八さいのおんなのこです。じつは、ともだちがサンタクロースはいないというのです。パパは、わからないことがあったら、サンしんぶん、というので、ほんとうのことをおしえてください。サンタクロースはいるのですか?
      ヴァージニア・オハンロン」

 ヴァージニア、それは友だちの方がまちがっているよ。きっと、何でもうたがいたがる年ごろで、見たことがないと、信じられないんだね。自分のわかることだけが、ぜんぶだと思ってるんだろう。でもね、ヴァージニア、大人でも子どもでも、何もかもわかるわけじゃない。この広いうちゅうでは、にんげんって小さな小さなものなんだ。ぼくたちには、この世界のほんの少しのことしかわからないし、ほんとのことをぜんぶわかろうとするには、まだまだなんだ。
 じつはね、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ。愛とか思いやりとかいたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、そういうものがあふれているおかげで、ひとのまいにちは、いやされたりうるおったりする。もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、ものすごくさみしいことなんだ。サンタクロースがいないってことは、子どものすなおな心も、つくりごとをたのしむ心も、ひとを好きって思う心も、みんなないってことになる。見たり聞いたりさわったりすることでしかたのしめなくなるし、世界をいつもあたたかくしてくれる子どもたちのかがやきも、きえてなくなってしまうだろう。
 サンタクロースがいないだなんていうのなら、ようせいもいないっていうんだろうね。だったら、パパにたのんで、クリスマスイブの日、えんとつというえんとつぜんぶを見はらせて、サンタクロースをまちぶせしてごらん。サンタクロースが入ってくるのが見られずにおわっても、なんにもかわらない。そもそもサンタクロースはひとの目に見えないものだし、それでサンタクロースがいないってことにもならない。ほんとのほんとうっていうのは、子どもにも大人にも、だれの目にも見えないものなんだよ。ようせいが原っぱであそんでいるところ、だれか見たひとっているかな? うん、いないよね、でもそれで、ないってきまるわけじゃない。世界でだれも見たことがない、見ることができないふしぎなことって、だれにもはっきりとはつかめないんだ。
 あのガラガラっておもちゃ、中をあければ、玉が音をならしてるってことがわかるよね。でも、目に見えない世界には、どんなに力があっても、どれだけたばになってかかっても、こじあけることのできないカーテンみたいなものがかかってるんだ。すなおな心とか、あれこれたくましくすること・したもの、それから、よりそう気もちや、だれかを好きになる心だけが、そのカーテンをあけることができて、そのむこうのすごくきれいですてきなものを、見たりえがいたりすることができる。うそじゃないかって? ヴァージニア、いつでもどこでも、これだけはほんとうのことなんだよ。
 サンタクロースはいない? いいや、今このときも、これからもずっといる。ヴァージニア、何ぜん年、いやあと十万年たっても、サンタクロースはいつまでも、子どもたちの心を、わくわくさせてくれると思うよ。

翻訳の底本:The New York Sun (1897) “Yes, Virginia, There is a Santa Claus” 
翻訳者:大久保ゆう

DEAR EDITOR: I am 8 years old.
Some of my little friends say there is no Santa Claus.
Papa says, ‘If you see it in THE SUN it’s so.’
Please tell me the truth; is there a Santa Claus?

VIRGINIA O’HANLON.
115 WEST NINETY-FIFTH STREET.

VIRGINIA, your little friends are wrong. They have been affected by the skepticism of a skeptical age. They do not believe except they see. They think that nothing can be which is not comprehensible by their little minds. All minds, Virginia, whether they be men’s or children’s, are little. In this great universe of ours man is a mere insect, an ant, in his intellect, as compared with the boundless world about him, as measured by the intelligence capable of grasping the whole of truth and knowledge.

Yes, VIRGINIA, there is a Santa Claus. He exists as certainly as love and generosity and devotion exist, and you know that they abound and give to your life its highest beauty and joy. Alas! how dreary would be the world if there were no Santa Claus. It would be as dreary as if there were no VIRGINIAS. There would be no childlike faith then, no poetry, no romance to make tolerable this existence. We should have no enjoyment, except in sense and sight. The eternal light with which childhood fills the world would be extinguished.

Not believe in Santa Claus! You might as well not believe in fairies! You might get your papa to hire men to watch in all the chimneys on Christmas Eve to catch Santa Claus, but even if they did not see Santa Claus coming down, what would that prove? Nobody sees Santa Claus, but that is no sign that there is no Santa Claus. The most real things in the world are those that neither children nor men can see. Did you ever see fairies dancing on the lawn? Of course not, but that’s no proof that they are not there. Nobody can conceive or imagine all the wonders there are unseen and unseeable in the world.

You may tear apart the baby’s rattle and see what makes the noise inside, but there is a veil covering the unseen world which not the strongest man, nor even the united strength of all the strongest men that ever lived, could tear apart. Only faith, fancy, poetry, love, romance, can push aside that curtain and view and picture the supernal beauty and glory beyond. Is it all real? Ah, VIRGINIA, in all this world there is nothing else real and abiding.

No Santa Claus! Thank God! he lives, and he lives forever. A thousand years from now, Virginia, nay, ten times ten thousand years from now, he will continue to make glad the heart of childhood.

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